いい気分で帰りの電車に乗っていたある日。
周りもほろ酔いが多いなぁとつり革を確保。
と、隣に来たお兄さんがほろ酔い過ぎたのが
どんどんこちらを押してくる。
つり革を取られまい!と暫く頑張ったが
ついに面倒なりつり革を手放し後ろの空間に逃げる。

満員電車の中、お兄さんは2人分を確保し更に陣地を
広げようとゆらゆらと身体を揺らしている。

仕方ないなぁと思っていたら反対側に立っていたお兄さんと目があう。
「酔っ払いだからしょうがないですね。」というつもりで
にっこりしたのだが。

そのお兄さんが酔っ払いの兄さんに一言。
「ちょっと、ちゃんと立ちなさいよ。
迷惑かけてるでしょ」

殿方に守れれるなんてことは久しくないことだから
「よ!かっこいい!」なんて喜んだが
次がいけなかった。

「殺すぞ、コラァ」

いやいや、殺さなくていいから・・・。

酔っ払いに兄さんも「殺すって言いましたよね。今」
一触即発か?!

ま、ここで決闘されても困るよ。
そこで私が酔っ払い兄さんに
「私がここに立っていたのですが、どんどん押してくるので
この方が言ってくださって・・・。
ここはこれで治めていただけませんか?」

こうなったら穏便に終わらせるしかないのだ。

納得したのか?気が収まったのか?
「はぁ」と言ってくれてそこで何事もなく終わる。

もう一人のお兄さんも「言い過ぎたのは悪かった」と
言ってくれたので良かった。
良い人なのだ。

「殺すぞ!コラァ」がなければヒーローだったのに。

言霊。
ほんの一言で大きく変わるものだと実感した出来事。
発する言葉は本当に気を付けよう。
幸せを作るのも不幸のきっかけを作るのも
言葉一つ。